〜4P分析〜「製品分析」で用いるフレームワークをご紹介!【frame-2】

こんにちは!チカミチの後藤です。

皆さんは「マーケティングミックス」という言葉を耳にしたことはありますか?商材をターゲットにどう売り出すか具体的な戦略を立てるために、複数の要素を組み合わせて検討していく考え方で、戦略立案の手法「4P分析」で用いられる考え方です。4P分析の基礎知識、そしてその中のひとつである「製品(Product)」の分析についてご紹介していきます。

4P分析とマーケティングミックスの意義

4P分析は「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」の4つの視点から、最終的に「どのような製品をどれくらいの価格で、どのような販路で顧客ニーズを満たすか」を考えていく方法です。

なぜ、マーケティングミックス(4P分析)の考え方が大事なんでしょうか。常に変化し続ける市場で、ただシンプルに「安い」「CMがかっこいい」「デザインが良い」といった理由でモノが売れる、ということはなかなか期待できないですよね。

価格をどう設定するか、どの販売ルートを取るかなど、1つ1つ要素を組み合わせて状況の変化を想定することで、その企業や商材にとって最も効果的な方法を見つける必要があります。そのため、手がかりとなる要素を複数用意して、様々な状況を想定して考えるマーケティングミックスが重要な役割を果たすというわけです。

プロダクト3層・5層モデルで製品の価値を分析!

では、「製品(Product)」の分析からご紹介していきます。製品というと、イメージとして電化製品や自動車などが思い浮かぶかもしれませんが、サービスや情報など形のないものも含めて、企業が売り出したい全てのものを指します。

製品分析として最初にご紹介するのは、顧客が製品を買うことによって得る「便益(ベネフィット)」を中心の核として、その外側の要素となる製品デザインや機能、販促方法などがどうなるのかを整理していくという方法です。中心の核を含めて3層、もしくは5層の円状に広げていくため「プロダクト3層(5層)モデル」とも呼ばれます。

核となる製品の便益(ベネフィット)とは、製品を買うことで顧客に与えるメリットです。この核の内容をどう設定するかが重要なポイントになります。例えばパソコンの場合、ニーズとして「自宅で仕事をしたい」「趣味の動画制作の幅を広げたい」「出張先・移動先で使いたい」などが考えられますよね。そうすると、同じパソコンでも解決したい課題が違えば、それによって製品に持たせるべき価値の内容も違ってくることが分かります。

3層モデルの場合、核となるベネフィットの外側に2つ層があります。1つ目の層は「製品の実体」となるデザインやパッケージ、品質などの要素。これは、製品そのものを特徴づけるもので、パソコンであれば「どういった機能を備えていればいいか」「求められる品質、喜ばれるスペックは何か」などを考えていきます。そして、一番外側の層は「製品の付随機能」となる、プラスアルファで製品の魅力がより高まる要素です。自宅訪問での取り付けサービスだったり、購入後に受けられるサポートがあったり、顧客の満足度を高める付加価値ということですね

5層モデルとなると、さらに製品の価値を細かく分解していくことになります。同じくパソコンで例えると、「中核」であるベネフィット(出張先・移動先でも使いたい)/ベネフィットを叶えるために欠けてはならない「基本」の要素(持ち運び可能なノートPC仕様、長時間バッテリー)/絶対に必要でなくとも顧客から望まれる「期待」の要素(軽量モデル、使いたい時にすぐ使える起動速度)/「拡大」という製品の評価がアップする要素(ハード大容量、アフターサポート)/期待はされていなくても提供できれば大幅に製品の魅力が増す「潜在」(提携ソフト無償提供)の5つの層です。

「中核」「基本」「期待」までが、顧客を不満にさせないために備えるべき製品の価値と言われています。そして、「拡大」「潜在」の2つの価値を充実させれば、購入意欲を高められるかつ製品の価値自体を高めることができるんです。

取り扱う商材の市場規模や価値によって、他社と比較しやすく使いやすいモデルが異なってくるため、企業は状況に併せてこのフレームワークを用いています。商材の価値を分解していくことで、顧客ニーズを満たすために必要な要素を整理できるんですね。

製品の「プロダクトライフサイクル」を知る

もう1つ、製品分析に用いられる「プロダクトライフサイクル」をご紹介します。これは、市場に製品が登場してから撤退するまでを1つのサイクルとして捉える考え方です。「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つの時期において、売上と利益がどう変化するかを見ていきます。自社の製品が現在どの時期にあたるかを知り、取るべき対策を考えていくという方法です。

「導入期」では、消費者へ製品の認知度を高める必要があるため、広告費に投資したり、販促経路を確保したりなど、コストをかけるため利益が出にくい時期です。消費者に製品が知られていき、購入に繋がっていくと、利益が出始める成長期に移ります。ここでは、競合の参入が始まって競争が活発になるため、価格を見直したり、製品自体を改良したりと差別化を行って市場で生き残ることに注力することが求められます。

顧客を獲得して売上を保てば、次にやってくるのは成熟期。安定した売上をいかに保てるか、獲得した顧客を育てられるかが重要となる時期です。そして、安定した売上が継続していても、いつかは市場の変化や競合の影響などで徐々に売上が減少していき、衰退期が訪れます。企業が取るべき対応は、製品の収益性を高めるために市場を絞り込んだり、生産コストを最低限に抑えたり、利益を守るためにどう対策するかです。

これまで自社の製品がどの時期をどう辿ってきたのか、サイクルのうちどの時期に位置しているのかを踏まえ、3層・5層モデルと組み合わせてみると、重視するべき対策の方針が変わってくるかもしれません。

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