今回は、BtoBにおけるリスティング広告の特長や導入するデメリットをご紹介していきます。ネットの検索エンジンを通じて、自社サイトへのアクセスを促進させるWebマーケティングをSEM(Search Engine Marketing)と呼び、その代表的な手法がリスティング広告です。Webマーケティングの基本で多くの企業が導入している広告施策ですが、BtoBでは具体的にどのようにして収益に繋げられるのかを詳しく見ていきましょう。
リスティング広告とは、検索結果の画面に商材の広告を掲載し、自社サイトにアクセスを促す方法であり、「検索連動型広告」と「ディスプレイ型広告」の2種類があります。
前者は、「こういう商品が欲しい!」とはっきり購買意欲を持つユーザーに効果的な方法で、ストレートに商品名や会社名が検索されなくとも、検索ワードに関連さえしていれば検索結果に広告として見出しが表示されるというものです。
これに対して後者は、サイトの内容に沿って掲示される広告です。ユーザーが検索で辿りついたページ内に登場させて、興味を持っているであろう分野に関連する企業や商品の広告が表示される仕組みになります。レンタカーの値段比較サイトに、レンタカー会社や旅行会社の広告が表示されるようなイメージです。
BtoBでは広告から商談に繋がるケースは少なく、ディスプレイ型よりも検索連動型が向いている傾向にあります。その理由は3つ。
1つは、顕著なニーズを持つ顧客企業に対して即効性がある点です。ネットで商品やサービスについて検索するということは、既に求めているものが明確だということ。すぐに売上に繋がる可能性が最も高いので、こういった顧客層に働きかけられるという点で有利になります。
2つ目は持続的な広告効果を発揮してくれること。広告を出稿してから1度、2度反応があれば、そこから1ヶ月、半年でアクセス数が数百件に伸びる見込みがあります。長期的に商談の機会を見込むことができるので、結果的に経営を安定させることにも繋がるんです。
そして3つ目はターゲットの範囲を拡大できる拡張性です。ある一定の地域で少しでも反応をもらえれば、集客の範囲を広げていってその分さらに多くの反応を期待することができます。
小さい投資で結果的に大きな効果を得られるのがリスティング広告であり、BtoCに比べて競合が少ないBtoBにおいては、検索連動型広告が利益に繋がりやすい手法なんですね。
工夫次第で売上に繋がるリスティング広告ですが、結果が出せない企業がいるのも現実です。広告の成果を出すために、確認しておきたいポイントを見ていきましょう。
- リスティング広告で利益を出せる商品やサービスであるかどうか
一度の取引では終わらず取引がリピートされる商材かどうか、低価格のものから高価格帯の商品へ繋がる可能性があるかが重要になります。検索数が多くても利益率が低かったり、競合が多かったりする商材は選択肢から外すことが賢明です。
- 顧客の共感を得られる設定キーワードか
業界用語やニッチなワードを設定できれば、狭い業界でも検索ワードでひっかかって顧客企業の共感を得ることができます。競合に目をつけられていないワードを設定し、少ない検索数でも確実にアクセスしてもらうという考え方ですね。
- アクセス先のコンテンツ内容が充実しているか
広告をクリックしてくれても、問い合わせに繋がらなければ意味がありません。ユーザーにとって魅力的な企業ページやオファー内容をリンク先に準備しておくことで、資料請求・問い合わせに繋がる可能性を高められます。
通常の広告を出稿するよりも制作の手間・コストがかからず、地域指定や表示時間など臨機応変に運用できるため、気軽に始められるのもリスティング広告の魅力の1つ。でも、こうしたポイントを押さえられていないと、Web広告として運用する意味が無くなってしまいます。集客の入り口としてリスティング広告の効果を出すために、コーポレートサイトなどのオウンドメディアも活用することが大事なんですね。