〜4P分析〜「価格設定」と「プロモーション」の考え方と4P分析の活用【frame-3】

こんにちは!チカミチの後藤です。

ここでは、4P分析のうち「価格(Price)」と「プロモーション(Promotion)」の2つの分析方法を紹介していきます。価格設定にはどんな戦略の立て方があるのか、企業側がプロモーションを行ううえでお客様のどんな行動に注目するべきか。そして、最後に4P分析での大事なポイントをお伝えします。

自社のポジションから見極めるプライジング戦略(Price)

プライジングとは、商品やサービスの「価格設定(Price)」のこと。価格設定では、最終的に企業の存続に関わる大変重要な要素であり、商材と市場の特徴をしっかりと把握して戦略立てすることが大切です。今回は、価格設定に用いられる様々な方法のなかから、基本となる2つの方法をご紹介します。

1つ目は、マーケティング経営学者のフィリップ・コトラーが提唱した方法で、製品の品質と価格を照らし合わせるやり方です。有名な例として、高品質で平均的な価格で提供する「高価値戦略」のユニクロと、平均的な品質で低価格の「グッドバリュー戦略」をとるG.U.があります。

その他、高品質・高価格の「プレミアム戦略」や、低品質・低価格の「エコノミー戦略」などがありますが、企業がどのプライジング戦略をとるべきなのかは、市場におけるポジショニングから判断する必要があります。

競合相手が設定している価格、お客様が求める価格、自社の持つ資源で実現できる価格・・・自社のポジショニングから最適と考えられる戦略を取ることが大事ですね。

2つ目は、お客様の特性と企業の目的を照らし合わせる方法です。お客様となる人にはどんな状況の人がいるか、そして果たしたい目的によってどんな戦略をとるべきかを考えていきます。例えば、下調べをしてブランドのイメージが良い商品を選ぶ人と、価格重視で安い商品を選ぶ人がいるとします。企業が持つ目的が「生産のコストとバランスがとれる価格を維持する」だとすると、価格設定の点だけで考えると前者に対しては「ブランド価値として価格を高めにする」、後者だと「商品をセット販売してお得感を出す」などといった価格設定が考えられます。

機会損失にならない価格設定を行うには、狙うターゲット像によって、お客様の特性やどんな価格設定が受け入れられるか、どのような価値観をもった層なのかをしっかり把握することが大前提です。市場で有利な価格設定を導き出すには、価格設定を行う目的が何なのかを明確にして、自社が優位になるポジションを取ることが重要なんですね。

プロモーション(Promotion)は購買行動の把握が肝

プロモーション(Promotion)」は、広告、広報誌やカタログなどの紙媒体、Web・SNS施策、お客様の口コミ情報など、商品の販売促進に繋がるあらゆる方法が考えられます。具体的にプロモーションの戦略を立てるには、「誰に、いつ、何を、どのように伝えるか」という道筋を作ることが必要です。

現在はネットやスマホの普及とSNSの発達によって、お客様が商品を購入するまでの行動が大きく変化しました。お店で見た商品をネットで検索して、クーポン割引や会員登録のキャンペーンで安く購入する方法を探したり、購入した人の口コミをネットで見てから買たりと、ネットの情報検索は切り離せないものになりつつあります。プロモーションする側は、ターゲットとして狙うお客様にとって「この商品いいな」と感じてもらえる方法を、Web・SNSの情報発信を駆使していくことが求められているんです。

お客様の購買行動は、「情報を知る」→「商品購入」→「継続利用・人への紹介」という大まかな流れとして考えることができます。この一連の行動で、お客様がどの場所から何の情報を受け、どんな気持ちになってどういった行動をとるのか、お客様との接点・その時のお客様のアクションから、企業側としてのアクションを割り出していくと具体的なプロモーション方法が見えてくるはずです。

「情報を知る」段階では、商品の価値を理解してもらうためにどう情報発信するか、商品を体験してもらう機会をどうつくるか、という視点が必要ですね。広告宣伝だけではなく、イベントでの体験の様子をSNSにアップしてもらい、その投稿をネットで目にした人にも商品を知ってもらうというのも1つの手です。

商品を手にとって購入してもらった後には、その商品をリピートして買ってもらう、あるいは周囲におすすめしてもらうための情報発信が重要になります。口コミ情報で商品を比較して、評価が高い商品を買いたいという人も多いですよね。購入後にいかに情報を拡散してもらえるかというのももちろん大事ですが、商品を購入してくれるお客様の満足度を高めるということもプロモーションの重要なポイントとなるんです。

4Pの掛け合わせと事前準備が大切!

マーケティングでの具体的な戦略を立てていくには、今回ご紹介した「価格(Price)」「プロモーション(Promotion)」の2つだけではなく、4P分析のもう2つの要素である「製品(Product)」「流通(Place)」の分析結果も掛け合わせることが必要です。

なぜなら、それぞれの要素は単独のものではなく相互作用するものであり、ひとつの要素を考えるにはそのほか3つの要素も照らし合わせなければ、一貫した戦略立案はできないからです。

例えば、みなさんはスターバックスのCMをテレビで見たことはありますか?

誰もが知るコーヒーショップの1つですが、実はテレビCMや宣伝を実施していない企業なんです。「カフェといえばスタバ」というほど浸透し、全国展開して確固な地位を築けたのは、この4P分析に当てはめると分かります。ビジネスマンやコーヒー好きな人をターゲットにし、高品質なコーヒーとお洒落で落ち着いたくつろげる空間(製品)を提供するため、高級感のある立地を選び直営店のみ(流通)で展開しています。

また、ファーストフード店やコンビニのコーヒーよりも割高にすることで(価格)、お店でコーヒーを飲みながら過ごすこと自体にステータスを感じさせることができており、広告宣伝は使わず利用者の口コミ情報や、カップ・タンブラーのロゴで知れることによって(プロモーション)、認知度を自然に高めていったんです。

4つの要素はそれぞれが密接な関係で、どこかが崩れたり矛盾があったりすると、マーケティングとして効果を発揮させることが難しくなります。スターバックスの例から、企業のポジションやターゲット層、目指すブランディングによっても戦略は変わるということも分かりますよね。そのためにはSTP分析(後日コラムでご紹介します!)でとるべき戦略の方向性を明確にして、それを裏付ける情報を前もって収集しておくことが不可欠です。マーケティングにおいては、この4Pのバランスをとりながら、相乗効果が出る関係性を調査していくことが重要なんですね。

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